南アフリカ共和国国地方自治体の保健財政管理能力強化プロジェクト詳細計画策定調査(評価分析)が始まります。

 南アフリカ共和国(以下「南アフリカ」という。)では、1994年にアパルトヘイト(人種隔離)政策が廃止されたものの、保健医療サービスの利用や医療保障制度において、引き続き格差が存在しています。同国の保健医療サービスの提供機関が公的部門と民間部門に大別される中、民間健康保険に加入する富裕層を主とした国民の16%が高額な民間医療機関を利用し、残りの84%が公的医療機関を利用しています。公的医療機関においては、地域診療所や地域保健所における外来診療は無料、また公立病院での入院費用も最低限に抑えられている一方で、薬剤の在庫切れが頻繁に生じるなどサービスの質が悪いと国民の間では認識されており、その結果、医療サービスの利用が富裕層に偏る不公平な状況が続いてきています。

 このような状況の中、南アフリカ政府は、保健財政改革を通じて全ての国民が良質な保健医療 サービスに安価な値段でアクセスできる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ」に向 け、国民健康保険(National Health Insurance。以下、「NHI」という)設立の方針を 2011年に発表し、以後段階的に制度設計やパイロット事業等を実施してきました。

 NHI制度は、貧困層や脆弱層を含む全国民を医療費負担による経済的リスクから保護するのみでなく、医療機関への予算配分や診療報酬の支払い方を工夫し、プライマリ・ヘルスケアを強化することを通じ、財源をより効率的に活用した質の高いサービスを提供することを目指すものです。

 JICAはこれまで「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ達成のための保健財政能力強化」(2016年〜2018年)を通じて専門家を派遣し、NHI制度設立に資することを目的に、保健省や州保健省、郡保健事務所の行政官等を対象とした保健財政に関する研修や本邦招聘等を実施してきました。そして、かかる状況下、南アフリカ政府は、郡レベルでのNHIの始動に向け、郡病院、地域保健所、地域診療所、および郡保健事務所や州保健省など地方自治体の保健医療従事者・行政官の保健財政管理能力強化を目的とした技術協力プロジェクトの実施を日本政府に要請しました。

 今回実施する詳細計画策定調査は、本プロジェクトに係る計画枠組み、および実施体制等を整理したうえで、プロジェクトの内容を確認・協議し、プロジェクトに関わる合意文書の署名支援を行うとともに、プロジェクト実施に必要な情報を収集・分析し、本プロジェクトの事前評価を行うことを目的とするものです。

 泪橋ラボのコンサルタントは、この情報収集と評価分析を担当します。

 

 


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